朝イチ5分の骨盤枕ストレッチで、快の感情を自家発電する
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記事:大森ちはる(ライティング・ゼミ)
わたしの平日の主な可処分時間――何をするか自分で決められる自由時間――は、明け方4時から6時の2時間だ。
3時50分、寝る前に足元のコンセントに繋げたスマホがブィーンブィーンと震える。
隣で寝息をたてる娘(3歳)に気配が伝わらないように体勢を変えて、バイブを止める。
充電ケーブルからスマホを引っこ抜いて布団を抜け出し、寝室を出る。
廊下右手のトイレに寄ってリビングに入り、台所まで進んで壁面スイッチでLDK全部に灯りをつける。
明るくなった台所のシンクには、だいたい、夜のうちに夫が使ったコップが置かれている。
それをちゃちゃっと洗って水を振りはらったら、ブリタから水を注いで、右手を腰にあてて、ごくり。
ごくりごくり。
喉を通った水が胸をフリーフォールしていく。
6時を過ぎたら、いわゆるワーキングマザーと化さねばならない。
昼食用のお弁当を作って、洗濯機から乾き終えた衣類を取り出し、お風呂を洗って、LDKをさっとモップ掛けして、娘を起こして、少々あそんで、朝食を食べて、台所を片づけて、身支度をして、8時過ぎに娘と保育園に登園する。
その足で駅に向かって、会社へ。
9時から17時までなんやかんや仕事して、ダッシュで帰路について、保育園に迎えに行って、少々あそんで、夕食をつくって、夫と3人で食べて、台所を片づけて、お風呂に入って、洗濯機をまわして、寝支度を調えたら、娘と一緒に21時半にバタンキュー。
交感神経フルスロットルである(と嘯きつつ、通勤時間と会社の昼休みにはしっかりちゃっかりアイドリングしている)。
明け方2時間の可処分時間でやりたいことは、たくさんある。
うず高くなる一方の積読の山を切り崩したいし、ネットの世界に行きたいし、DIYの設計――先日初めてのDIYでなかなか満足のいく机をつくれたので、次は夫用の棚をつくりたい――も練りたい。
通信受講中のライティング・ゼミの動画も観たいし、このメディアグランプリにも投稿したい。
そして、何はともあれ、骨盤枕ストレッチ。
機嫌よく気前よくありたい、と常々思っている。
妻として、母として、社会人として。
快の感情を自家発電して、それを後押しに、まわりに「自分ができること」を快く差し出せる人は、素敵だ。
わたしは1つの会社しか知らないが、それでも10数年働いてきて、佇まいや言動がくすぶっている人が「格」を発しているのを見たことがない。
地位だけではなく、意見を聞いてもらえたり、協力を得られたり、も含めて。
機嫌――表情や態度にあらわれる気分のよしあし――は、気合いだけでは取り繕えない。
夫と娘という「素でぶつかる相手」ができて、自分の感情ひとつコントロールがままならないことを実感した。
退社が遅れて買い物に行きそびれ、夕食のメインが2日連続豚肉料理だったときに、牛肉好きな夫がうっかり「また豚?」とこぼしただけで、瞬間湯沸かし器のごとくうっかり嫌味を返してしまう。
時間に追われながらいくつかのおかずを同時並行でつくっているときに、ひっきりなしに「いっしょにあそぼ!」「グミ食べたい」「ママは、牛肉と豚肉どっちが好き?」と喋りかけてくる娘に、ドスをきかせて「ちょっと黙って」と告げてしまう。
夕食づくりの時間帯は、気持ちもお腹もガス欠寸前で、とくに鬼門。
結局、「余裕」の問題なのだ。
余裕の度合いは、気にしないでいられるものの量に比例する。
気力、体力、時間の制約、やりたいこと、やらないといけないこと。
その日、そのとき、その場所で、それをしていていい、と実感できるかどうか。
自転車操業中は、常に今の手に手応えを持てないし、同時に次の一手も頭をもたげる。
骨盤枕ストレッチは、わたしにとって、「今日1日、気力と体力がもちますように」のおまじないだ。
朝イチの水分補給を終えたらまず、リビングにある娘のおもちゃコーナーに向かう。
おもちゃ棚から、ダイソーで買った「骨盤ストレッチまくら」を取り出す。
それをおへその下に敷いて、フローリングの床に仰向けに寝転がる。
頭がくる部分は、おもちゃコーナーに敷いているマットを下敷きにする。
腕をバンザイして、手のひらを床につけて左右の小指をくっつける。
足先も伸ばして、かかとを床につけて左右の親指をくっつける。
その姿勢を5分間維持する。
嗚呼、からだ、伸びてる……!
そう実感できるのと、「5分」というところが気に入っている。
もし15分や30分かかるなら、あれもこれもしたい限られた可処分時間では、つい後回しにしてしまう。
ヨガも瞑想も、それでくじけてきた。
でも、5分なら、そのおまじないは、毎日かけられる。
「やるべきことを、今日もちゃんとやった」と、朝から前向きになれる。
手足を動かさず、ただ仰向けに寝転がる5分間は、暇だ。
天井を見つめるか、目をつむるか、タイマーが鳴るのを待つだけの、5分間。
どれだけの時間が経過したのかも、わからない。
べつに頭をちらりと動かして時計を見てもいいのだけれど、なんだかそれは「負け」な気がする。
そして、からだの動きを止めているのに連動してか、思考もアイドリングストップする。
頭のなかに浮かんだ考えが、発育していかない。
シャボン玉のように、ほわっと生まれて、しばしたゆたって、輪郭が薄くなって、しまいに消える。
思考のアイドリングストップで気力が、背中と腰のコリのほぐれで体力がチャージされる。
タイマーを止めて起き上がったわたしは、余裕しゃくしゃくだ。
今日1日、うまくいきそうな気がする。
***
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